ホームページを運営している東京水産振興会や、ほかの団体がおこなっている、ハゼや東京湾などについてのイベントや活動について紹介していきます。
中央区立豊海小学校では、朝潮運河いきものルネサンスと連携して、朝潮運河に設置された石倉カゴを用いた授業を行い、運河に棲む生き物のことや、水質などの環境のこと、さらには朝潮運河についての学習を深めてきました。
10月と11月に採捕された生き物の一部を、東京海洋大学の指導のもと、その生態観察のために小学校にて飼育しました。海水をろ過しながら生き物の飼育ができる大型の水槽が東京水産振興会により貸し出され、シマイサキやマハゼ、エビなどが入れられました。
およそ、2か月の飼育期間の間、小学生たちがのぞいたり、お世話をしたりして、魚もエビも元気に育ちました。特に、4年生は、「朝潮運河のなかまたち」という解説ボードを水槽の隣に設置し、自分たちで調べた魚のことを詳しく掲示してくれました。
現在、水槽の中の生き物は、全て朝潮運河に返されて水槽展示は一時お休みになっています。また、来年度の石倉カゴ調査の時に、生物飼育を予定します。色々な運河の生き物に会えることを楽しみにしたいと思います。
2021年9月に、朝潮運河「いきもの」ルネサンスの事業として、朝潮運河ルネサンス協議会、東京海洋大学、勝どきマリーナ、海辺つくり研究会が協働して、朝潮運河内の新月島川、勝どきマリーナ地先に石倉カゴの設置を行いました。
その2ヵ月後、11月2日に2回目となる石倉カゴのネット引き上げを行い、中に生息する生物の調査を行いました。今回は、豊海小学校5年生の授業で、現地からのオンライン中継を視聴してもらうとともに、石倉カゴで回収された生き物を理科室で観察をしてもらいました。
作業は潮汐に合わせて9時に始め、前回同様、石倉カゴの中の生き物を回収するために、カゴの周りにセットされていた目の細かい網の引き揚げ、新たなカゴのセット、石の移し替え、生物の採取を行い、生き物の種類ごとに仕分け・計測しました。ここまでで約30分の作業でした。
ここから、生き物を学校に運び込み、今回は理科室で顕微鏡なども用意して、生き物の観察を行ってもらいました。3・4限を使って、各組20分の観察タイムです。あらかじめ、生き物は、魚、カニ、エビ、石(に付着している珪藻)・プランクトンに分けてあり、グループごとにその水槽を巡回しながら観察しました。終了は12時10分くらいでした。
2021年9月に、朝潮運河「いきもの」ルネサンスの事業として、朝潮運河ルネサンス協議会、東京海洋大学、勝どきマリーナ、海辺つくり研究会が協働して、朝潮運河内の新月島川、勝どきマリーナ地先に石倉カゴの設置を行いました。
1か月たった10月19日に石倉カゴのネットを引き上げ、中に生息する生物の調査を行いました。その様子を現地からオンラインで中継し、豊海小学校の4年生の授業として視聴してもらうとともに、石倉カゴで回収された生き物を体育館に運び込み、観察をしてもらいました。
作業は9時半に始まりました。石倉カゴの中の生き物を回収するために、カゴの周りにセットされていた目の細かい網を引き揚げ、生き物を囲い込みます。次に、新たなカゴを隣にセットして、今まで生き物の棲み処になっていた石を移し替えます。すると、石の間にいた生き物が網に残されますので、それをバケツに回収し、生き物の種類ごとに仕分けしました。ここまでで約30分の作業でした。
ここから、生き物を届ける係が作業船に乗り込み、豊海小学校前の桟橋に船で移動。残りの人たちも、学校に移動します。先生と生徒たちが台車をもって生き物の受け取りに桟橋に出向き、体育館まで運んできました。10時30分から4年生の各クラスが体育館に集合し、20分毎に交代で生き物観察を行い、最後に解説を聞いて終了したのが11時20分くらいでした。
朝潮運河「いきもの」ルネサンスの事業として、朝潮運河ルネサンス協議会、東京海洋大学、勝どきマリーナ、海辺つくり研究会が協働して、朝潮運河内の新月島川、勝どきマリーナ地先に石倉カゴの設置を行いました。
石倉カゴとは、伝統的な漁法である「石倉」を模して、調査のしやすいように石をカゴに詰め、生物調査をするための網を組み合わせたものです。株式会社フタバコーケンが製作し、日本各地で水産生物の棲み処づくりのために設置されています。
当日は、静岡からカゴ・中詰めの石などを載せたトラックが9時に勝どきマリーナに到着し、カゴの組み方の予習や設置場所の最終確認などの準備を進め、豊海小学校の村上校長先生も現場に駆け付け、10時30分より現場からのオンライン配信を開始しました。陸上で組み上げたカゴを水中にセットして、1つ5~6kgの石を150個詰めて石倉カゴの設置は1時間ほどで無事終了しました。
豊海小学校側では、5年生の各クラスが、3時間目の授業として、リアルタイムにその様子を視聴しました。映像を見た子供たちからは「どんな魚がいますか?」「石の大きさはどのくらい?」など多くの質問が出されました。4年生、6年生は後日、録画を視聴したとのことです。
佃月島新聞制作委員会主催のイベント「ハゼ釣り教室」が2022年8月27日に開催されます。佃に棲むハゼの生態系を学びながら、ハゼ釣りを楽しんでいただけるイベントです。初心者や親子での参加も大歓迎です。
イベントの詳細や参加申し込みは佃月島新聞の記事、および佃月島新聞 53号(2022年8月1日)をご覧ください。
東京新聞のホームページに、江戸前ハゼ復活プロジェクトを推進する古川先生のインタビュー記事「ハゼから見る水辺の環境とその変化」が掲載されました。YouTube動画もありますので、ぜひご覧ください!
また、東京新聞主催のイベント「ハゼ釣り教室」が2022年9月19日に開催されます。
イベントの詳細は当イベント概要ページをご覧ください。
ハゼに関する自由研究の募集もあります。
・ハゼの仲間にはどんな魚がいるんだろう?
・エサは何を食べているのかな?
・棲んでいる場所はどこだろう?
・ハゼを守るために何ができるかな?
ハゼのことをいろいろ調べて応募してみてください!
2021年7月31日、第12回夏休み「親子はじめてハゼ釣り教室」が、浦安市高洲公民館、境川護岸で開催されました。当日は、事前登録された20組の親子、主催者である浦安水辺の会のスタッフ、東海大付属浦安高等学校・中等部の生物部も含め、総勢55名の参加がありました。
毎年1回開催されている親子ハゼ釣り教室は、ハゼ釣りがはじめての親子を対象とするユニークな教室で、毎回、新たな参加者を募集し、ハゼ釣りを通して、水辺の安全管理、水質やハゼの習性について勉強するとともに、地域活動としての清掃やネットワークづくりを目指し、釣果は、マハゼの棲み処調査に登録されています。
新型コロナ感染のリスクを避けるため、参加者の倍以上の定員を持つ公民館の大研修室を使い、浦安水辺の会の今井代表からの挨拶の後、「水辺の安全」「ハゼの生態」「ハゼの釣り方」の講義が行われました。
約1時間の講義を終え、境川高洲橋下でいよいよ釣り開始です。釣り竿を借りて、エサをつけ、底におもりをトントンと叩くように誘いながら、ハゼのあたりを待ちます。東海大浦安の生物部の面々も釣り調査に参加しました。
浦安沖では、数日前に青潮が接岸し、大型のスズキやクロダイ、マハゼの死魚が浮くという影響を受けていました。当日は、海底上の酸素も6mg/Lと豊富にあり、水温が底層で28度、塩分が24という好条件の中、釣果は、全体で49匹でした。全てマハゼで、最小が40mm、最大が110mm、中型の 80mmのマハゼを中心に、小型の40mm にもピークがある分布となり、一人当たりの釣果は、1時間に1.4匹と、やや渋い感じでしたが、参加の親子さんらは、はじめてのハゼ釣りを堪能されていました。
参加者には、(一財)東京水産振興会から豊海おさかなミュージアムの解説ノート「ハゼが教えてくれること」と携帯版の「東京湾ハゼ手帳」が配布されました。今後、境川では、東海大浦安高中のサイエンスクラスでマハゼの棲み処調査を実施し、今回のマハゼ分布と比較しながら、境川周辺のマハゼの動態を明らかにしていく予定です。
「ハマの海を想う会」は2010年に設立された市民団体で、「もっと遊ぼうハマの海!」をスローガンに、横浜市のベイエリアにおいて水辺での市民活動の機会提供と人材育成、環境美化に資する活動を展開しています。
おもな活動のひとつとして、毎年秋にJR横浜駅東口の近く、帷子川の河口部に面した高島水際線公園においてハマハゼ杯というマハゼのつり大会を実施しています。第9回目となる2020年度のハマハゼ杯は11月1日(日) に、市内在住の親子など多数の参加者のもとでおこなわれました。
当日はマスク着用など新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたうえで、まず環境美化活動として公園内でゴミひろいをおこないました。その後、事務局によるハゼのレクチャーを受けてハゼつりをするのですが、このイベントのユニークなところは、つりの前に参加者みずからエサとなるゴカイを採取するという点です。ハマハゼ杯には「都会の中の公園にも多くの生き物が棲んでいることを感じ、自然との共生を考えるための体験型調査」をおこなうという趣旨もあるからです。園内の干潟に入り、各自スコップやシャベルで穴を掘ってゴカイをとることで、多様な生き物についても学ぶのです。
ゴカイ採取後、公園の防護柵から帷子川に竿を投じて約1時間半、マハゼつりを競いましたが、今回はたいへん残念なことに、つれたマハゼが合計5匹(最長サイズ:13.5cm)という過去最少レベルの釣果となりました。一方で、チチブやシマハゼ類はたくさんつれ、はじめてつりをしたという方々を含め、すべての参加グループがハゼ類をつることができました。また、マハゼ以外にも多くのハゼ類が身近に棲んでいることも体験的に学ぶことができました。
ハマハゼ杯には古川恵太先生も参加し、マハゼの体長など各計測データを収集されました。これらのデータは2020年度のマハゼの棲み処調査に活用されます。
※ この記事は「ハマの海を想う会」の許可を受けて取材し、作成したものです。ご協力にたいして深く感謝いたします。
また、活動の詳細につきましては同会名で検索の上、ハマの海を想う会 公式facebookよりご覧いただけます。
9月の記事でもご紹介した一般財団法人東京水産振興会による「朝潮運河を中心としたハゼ釣り調査」ですが、2020年度の第2回目調査を10月1日(木)の午後に新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたうえで実施しました。
調査参加者は10名でしたが、朝潮運河においては複数の調査ポイントの合計で3尾しか釣れませんでした。一方で、有明北(東雲運河)など他の調査地点では合計で55尾の釣果がありました。
2020年度の調査は今回で終了ですが、朝潮運河の調査ポイントでつれたマハゼは第1回目との合計で11尾と、大変少ない数でした。
また朝潮運河の調査ポイントでつれたマハゼの合計尾数について2015年度から2019年度までの推移をみると、2015年度・148尾 → 2016年度・356尾 → 2017年度・642尾 → 2018年度・8尾 → 2019年度・33尾であり、2018年度以降に大幅に減少していることがわかります(各年度の調査回数は2回で条件は同じです)。
これらの結果から、ここ数年で朝潮運河の環境がマハゼの生息にとって悪化していることが推測されますので、その原因の解明についても今後の課題となります。
東海大学付属浦安高等学校・中等部サイエンスクラスは、理数系に強く興味のある生徒を中心に構成されたクラスです。「体験」をテーマとし、教科書にとらわれない授業内容で、科学技術、理科・数学に関する観察・実験・実習などを中心とした、さまざまな学習活動をおこなっています。
今回は地元の自然環境や生物などを体験的に学ぶ校外学習として、8月の記事でもご紹介した「浦安水辺の会」との連携により、9月22日(火)の午前に浦安市内の境川において「マハゼの棲み処調査」を実施しました(主催は「浦安水辺の会」です)。
当日は、マスク着用や体温計測など新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたうえで、21名の生徒と3名の教員が参加しました。まず魚類にくわしい「浦安水辺の会」の浦川先生より、マハゼの生態やからだの特徴、マハゼの棲み処調査の内容と意義、マハゼのつり方についてのレクチャーをうけました。
その後、境川で9時45分から11時までハゼつり調査をおこないました。はじめてつりをするという生徒もいましたが、合計で104匹(平均体長9.4cm)のマハゼをつることができました。体長測定と調査票への記入も生徒どうしが協力しておこないました。これらの測定データは2020年度の「マハゼの棲み処調査」に活用されます。
※ この記事は「浦安水辺の会」および東海大学付属浦安高等学校・中等部サイエンスクラスの担任教員の許可を受けて取材し、作成したものです。ご協力にたいして深く感謝いたします。
サイエンスクラスにつきましては以下の同校ウェブサイトをご覧ください。
東海大学付属浦安高等学校・中等部サイエンスクラス ウェブサイト
https://www.urayasu.tokai.ed.jp/seniorhigh/guidance/science/
一般財団法人東京水産振興会では、事務所のすぐ近くにある朝潮運河とその周辺の海域におけるマハゼの生息状況や海の環境を調べるため、2013年度より朝潮運河で複数の調査ポイントを設定した「朝潮運河を中心としたハゼ釣り調査」を毎年実施しています。2016年度以降は年2回(8月、9月または10月)の調査を行い、同時に周辺の比較調査ポイントとして有明北(東雲運河)などでも同様の調査を行っています。
2020年度の第1回目調査は8月21日(金) の午後に、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたうえで実施しました。調査参加者は9名でしたが、朝潮運河においては複数の調査ポイントの合計で8尾しか釣れませんでした。一方で、有明北など他の調査地点では合計で58尾の釣果がありました。
朝潮運河の調査ポイントでつれるマハゼの数は、2018年度以降大幅に減少しているため、ここ数年で朝潮運河の環境がマハゼの生息にとって悪化していることが推測されます。引き続き、第2回目の調査を10月に実施しますので、その結果概要などをこのページでご紹介します。
「浦安水辺の会」は2004年に設立された団体で、千葉県浦安市において、安心・安全な水辺のまちづくりため、市民参加によるさまざまな活動をされています。そのひとつである「夏休み親子はじめてハゼ釣り教室」は毎年夏休みにおこなわれ、連続11年目となる2020年度の教室は8月8日(土) に同市の親子20組の参加のもと、市内を流れる境川にて開催されました。
当日はマスク着用や体温計測など新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたうえで、まず古川恵太先生など3名の専門家により、水辺の安全講習、マハゼの生態、マハゼのつり方についてそれぞれ講習をおこないました。
その後、境川でマハゼつりを約1時間おこなった結果、すべてのグループで多くのマハゼをつることができました。
つれたマハゼは合計128匹で、東海大学付属浦安高等学校・中等部の生物部員の皆さんのご協力により体長測定がおこなわれました。また古川恵太先生により境川の水質測定も実施されました。それらの測定データは2020年度の「マハゼの棲み処調査」に活用されます。
※ この記事は「浦安水辺の会」の許可を受けて取材し、作成したものです。ご協力にたいして深く感謝いたします。詳細につきましては同会公式ウェブサイトをご覧ください。
https://urayasu-mizube.jimdofree.com/
東京水産振興会の事務所は、東京都中央区の豊海町にあります。すぐ近くに東京湾とつながっている朝潮運河があり、ハゼをつることもできます。そうした運河のある街の魅力や、マハゼに代表される東京湾の自然の豊かさなどについて多くの人に知ってもらうため、次の活動をおこなっています。
いろいろな活動やイベントをおこなっていく予定ですので、今後も紹介をしていきます。